歯磨き粉の研磨剤は入っていた方が良いの?
2024年06月22日
こんにちは、
医療法人志尊会 理事長の市場亮志です。
歯磨き粉を選ぶときに、「研磨剤が入っている方が良いのか、入っていない方が良いのか」と迷う方は少なくありません。研磨剤には汚れを落としやすくするメリットがある一方で、使い方を間違えると歯にダメージを与える可能性もあります。今回は、研磨剤の特徴やメリット・デメリット、上手な使い方について詳しく解説します。
歯磨き粉の役割
そもそも歯磨き粉は、歯ブラシでのブラッシングをサポートするためのアイテムです。磨くだけでは落としきれない歯の表面の汚れや着色を落とし、口の中をすっきりさせる効果があります。歯磨き粉にはさまざまな成分が含まれており、研磨剤、発泡剤、フッ素、抗菌成分などがそれぞれ異なる役割を持っています。その中で研磨剤は、物理的に歯の表面の汚れを落とす重要な成分です。
研磨剤とは何か
研磨剤は、歯についたプラークやステインなどの汚れを物理的に落としやすくする成分です。歯磨き粉にザラザラした感触があるのは、この研磨剤によるものです。具体的には「リン酸カルシウム」や「炭酸カルシウム」などがよく使われます。研磨剤の粒子が汚れをこすり落とすことで、歯の表面をきれいにし、ツルツルとした感触を得やすくします。
研磨剤入り歯磨き粉のメリット
研磨剤入りの歯磨き粉を使う最大のメリットは、着色汚れやステインを効率的に落とせる点です。コーヒーや紅茶、赤ワインなどによる歯の黄ばみを、歯ブラシだけで磨くよりも落としやすくなります。また、歯の表面がツルツルになるため、口の中が爽やかに感じられ、ブラッシングの満足感も高まります。さらに、軽度の歯の着色を日常的にケアすることで、ホワイトニングの頻度を減らせる可能性もあります。
研磨剤入り歯磨き粉の注意点
一方で、研磨剤は使い方を間違えると歯にダメージを与えるリスクがあります。研磨剤が歯のエナメル質を削りすぎると、その下にある象牙質が露出し、冷たいものや甘いものにしみやすくなる「知覚過敏」の原因となります。また、歯の表面に微細な傷がつくことで、汚れが付きやすくなることもあります。特に毎日のブラッシングで強くこすりすぎたり、研磨剤入りの歯磨き粉を頻繁に使い続けたりするとリスクが高まります。したがって、研磨剤入り歯磨き粉は、週に数回の使用や、軽いブラッシングでの使用が望ましいとされています。
上手な研磨剤入り歯磨き粉の使い方
研磨剤入り歯磨き粉を使うときは、力を入れすぎず、毛先が歯の表面に沿うように優しく磨くことが大切です。また、歯ブラシ自体も柔らかめのものを選ぶとエナメル質への負担を減らせます。日常的なセルフケアでは、研磨剤なしのフッ素入り歯磨き粉を併用し、定期的に研磨剤入り歯磨き粉を使うことで、効率的に汚れを落としつつ歯へのダメージを抑えられます。
まとめ
研磨剤入りの歯磨き粉は、着色汚れやステインを落とすのに有効で、歯の表面をツルツルにするメリットがあります。しかし、使いすぎるとエナメル質を傷つけ、知覚過敏の原因になるリスクもあるため、正しい使い方が重要です。普段はフッ素入りの研磨剤なし歯磨き粉を使い、週に数回程度研磨剤入り歯磨き粉を取り入れるなど、メリハリをつけたケアが理想的です。研磨剤の特性を理解して、効果的かつ安全にセルフケアを行いましょう。







