歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2022.12.20子どもの早食いについて

こんにちは!

食事のスピードは人によって様々ですが、食べるのが早い子もいれば、いつまでも食べ終わらない子もいます。

早食いは良くない、よく噛んでゆっくり食べると良いと言われていますが、大人とは違い、子どもはよく噛んで食べようと意識するのはなかなか難しいですよね。

今回は子どもの早食い防止策について話していきたいと思います。

 

 

●早食いが良くない理由

肥満になる

一気に胃袋に詰め込もうとすると、そのスピードに満腹中枢がついていけません。

満腹中枢が追いついた時にはすでに腹十分、腹十五分になってしまっています…。この状態がいつまでも続くと、もちろん肥満になってしまいますよね。

 

むし歯のリスクが高まる

噛む回数が少ないと、唾液の分泌量は減少します。

唾液には、口内の細菌を洗い流す自浄作用がありますが、分泌量が少なくなればこの作用も弱くなり、むし歯や歯周病、口臭などのリスクは高まります。

 

・消化不良、胃に負担がかかる

何回も噛んで唾液で十分に柔らかくなったら食べ物は消化しやすい状態で胃に運ばれます。
あまり噛まなければ食べ物の塊が大きいまま胃に入り、大きな負担がかかってしまいます。
早食いをすることで消化不良にもなりやすく、胃痛や嘔吐下痢、場合によっては胃腸炎などにも繋がります。

 

・歯や顎の骨に悪影響

よく噛むということは顎の発育にとても重要です。
噛むことで顎の骨は強くなり、周りの筋肉も強くします。噛むことが少なくなると顎の骨の成長や、筋肉の成長に悪影響が出る可能性があります。

 

 

●早食い予防法

・「よく噛む」ことを意識させる

・食材は大きめに切る

・やわらかくし過ぎず歯ごたえを残す

・主食とおかずに分けて2皿以上にする

・ひと口の量が多い子は、小さめのスプーンやフォークを使う

・家族と会話しながら食べる

などなど日頃の一工夫で早食いは予防できます。

ぜひ試してみてください。

 

噛むことは唾液の分泌を促します。
早食いをすると、大切な唾液が分泌されにくいので歯を守れません。

子どもに限らず、大人にも糖尿病などの生活習慣病、膵臓への負担、潰瘍の悪化、老化促進など、とても多くの悪影響があります。

子どもの頃からの早食いは、大人になってから改善しにくいため、ゆっくりよく噛んで食べることを今から習慣づけていくことが大切です。
それが子どもの肥満対策になり、大人になってからも生活習慣病予防にもつながります!
できることから一緒に始めていきましょう。

不安やお悩みがございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。

2022.10.21乳歯が抜けても永久歯が生えてこない!?

お子さんの乳歯はたいていの場合、6歳頃に生え変わり始めますね。

下の前歯から始めに抜け、次に臼歯…とみるみるうちに生え変わっていくのがほとんどだと思います。
しかし中には、「乳歯が抜けたのはいいものの、永久歯が生え変わって来ない」といった問題を抱えたお子さんもいます。
今回は、その原因や対処法についてご紹介させていただきます。

◆原因① 歯が生えてくるはずの隙間がない
これが「乳歯が抜けたのはいいものの、永久歯が生え変わって来ない」お子さんの一番の理由の場合が多いそうです。
特に上の前歯は頻繁に起こってしまうそうで、なぜだかわかりますか?

それは、生え変わりに合わせて上顎が成長できていないからです。
正常なら、上の前歯が生えてくる時に上顎が成長して大きくなり、永久歯が生えてくるスペースが自動的にできるのですが、多くのお子さんは生え変わりの時期にまだ成長しきれていない場合が多いそう。
だから、前歯が生えてくるスペースが不十分で、生えたくても生えることができない状況になっているのです。

◇対処法は?
焦って歯科矯正をしなくとも、時間の経過で生えてくる可能性があります。
ですが、他の生えることのできる永久歯が生えてから生えることとなるので、少し歯並びが気になったりすることも。
なので、気になる方は歯科医師と相談するといいでしょう。

◆原因② 埋伏歯
聞き慣れない単語に疑問を浮かべた方もいるかもしれません。
乳歯が抜けても永久歯が生えてこない原因の一つに、埋伏歯というものがあります。
埋伏歯とは、漢字通り「歯が埋まって出てこない」状態のこと。
この場合は、原因①で紹介した上顎のケースと違い、それより少し危ない状態です。
なぜなら、時間経過でも生えてこないからです。

◇対処法は?
埋伏歯と判明すれば、直ぐその埋まった歯を本来出てくるはずの場所へ引っ張り上げなければなりません。しかし発見が遅ければ、引っ張り出すことが難しくなってしまうことも…
なので、大切なのが「歯医者の定期検診」です!
定期的に永久歯の生え変わりを確認することが、埋伏歯の早期発見となります。

◆原因③ 先天性欠如
お子さんによっては、生まれつき永久歯がないということも十分あります。
驚かれた方もいると思いますが、実は最近の日本小児歯科学会の調査によると、10人に1人の確率(10.1%)で先天性欠如のお子さんがいるそう。
先天性欠如とは簡単に言うと「乳歯がいつまで経っても抜けなくて、永久歯が生えてこない」ということになりますね。

◇対処法は?
対処法はありませんが、対策があります。
それは、「生えてこない永久歯の代用となる、その乳歯をどれだけ大切に残すか」です。
先天性欠如は誰が持っていてもおかしくないので、日ごろから永久歯だけでなく乳歯も大切にして、歯磨きを欠かさずしていけば何も問題はありません。

いかがでしたか?歯磨きの仕上げなどでお子さんの歯の状態を見ると思いますが、乳歯が抜けたのに、永久歯が生えてくる気配が無かったりすれば、歯科医師さんに相談してみるのもいいと思います。

このような不安や悩みがございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。

2022.09.27お子さんの交叉咬合(こうさこうごう)について

交叉咬合(こうさこうごう)、皆さんは聞いたことがありますか?
あまり知らない方も多いのではないでしょうか。そんな『交叉咬合』について、今回は詳しく掘り下げていきます。

◆交叉咬合ってなに?
まず、交叉咬合とは、一言で言えば『噛み合わせの異常』です。
この症状に悩まされる年齢層は様々で、4才くらいからの小さなお子様や大人まで、幅広く私達を悩ませています。
しかし、噛み合わせの異常と聞いても、歯並びがガタガタですとか、その様な漠然とした状態しか想像できない方が多いと思います。
そこで、交叉咬合についての色々なパターンを一つずつ見ていこうと思います。

●交叉咬合(こうさこうごう)
本来、下の歯は上の歯の内側にありますが、それがひとつの歯や数本にわたって反対になっている状態を『交叉咬合』と呼びます。
最も多い症状から、交叉咬合といえば基本的にはこのパターンです。
この場合、成長につれて、顎の骨の形も横に曲がっていってしまうため、できるだけ早く治療を開始する必要があります。

●開咬(かいこう)
上下の歯の間に大きな隙間ができてしまい、前歯が噛み合っていない状態のことを『開咬』といいます。
もしお子さんがいらっしゃるなら少し注意して見ていただきたいのですが、この開咬はお子さんの『舌突出癖』(唾を飲むとき、上の歯と下の歯の間に舌を挟んでしまう癖のこと)や『指吸い』のせいで発症する場合が多いのです。

●反対咬合(はんたいこうごう)
反対咬合とは、下の前歯、あるいは下顎全体が前に出ている状態をいいます。(『受け口』と呼ぶ地域もある様です)
こちらは比較的気付きやすいので、放置せずになるべく早めの治療をお勧めします。

●出っ歯
出っ歯もかなり想像しやすいのではないでしょうか。
出っ歯は『上顎前突』という正式な名称がついており、いわば上記で説明した『反対咬合』の『反対』です。
上の顎が出ている、出過ぎている状態や、逆に下の顎が引っ込みすぎているという状態を表します。

◆交叉咬合の原因は?
開咬(かいこう)の欄で少し触れましたが、お子さんの場合は、4才くらいになっても爪噛み・指しゃぶりが卒業できていないお子さんや、舌の癖が悪く、口呼吸をよくするお子さんが交叉咬合になりやすいと言われています。

◆もしなってしまった場合は?治療法はあるの?
治療する事ができますので、ご安心ください。まずは歯科医師に相談し、お子さん1人1人に合わせた治療法を確立することが大切ですが、多くはマウスピースなどによる矯正治療で、綺麗な美しい歯に戻していきます。

いかがでしたでしょうか。
『交叉咬合』、字体の感じがパッと見難しそうに感じ、身近で誰もがなりやすいような症状だとは思わなかった方もいたと思います。
お子さんが思春期になって、歯並びで悩み始めた時にはかなり治療が難しいことになってしまっている場合もあります。その場合は、直接顎の骨から整形しないといけない等、大掛かりな施術が必要になってしまいます。
そうなると、もちろんお子さんの負担もかかりますし、治療費もそれなりに多く取られてしまいます。
そして、歯並びの悪さは外見だけではなく、運動や普段の生活のおいても支障をきたしてしまう場合もあります。ものによっては歯が折れやすくなってしまったり、集中しにくい歯並びだったり・・・

そうならないためにも、普段からお子さんの歯みがきの仕上げや、一緒におしゃべりするときなど、ちゃんと歯の様子を見ていてあげてください。
よくない癖があれば優しく注意し、それだけで癖が治りそうになかったら、専用の楽しく噛めるおもちゃなどもたくさん増えています。
楽しく予防していきましょう!
何かお困りの事がございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。

2022.08.29お子さんに合った歯みがき粉の選び方

お子さんに歯が生え始めてきたら、歯磨きをママさんパパさんと一緒にし始める時期ですよね。
そんな時期に不可欠なものが「歯みがき粉」です。
歯みがき粉は、うまく使えばお子さんにとって歯磨きの習慣づけや虫歯予防にも繋がります。
ですが、いつも私たちが使っているものと同じものを使えばいい!というわけでは、勿論ありません。

今回は、成長別におすすめのお子さんの歯みがき粉についてご紹介していきます。
虫歯予防にピッタリのフッ素配合タイプや、うがいをしなくても綺麗になるものもあります。ぜひこれを参考に、ピッタリの商品を見つけてくださいね。

① 生え始めの頃(1才前後)のお子さんの歯・歯茎にやさしい!「歯磨きシート」タイプ

ママさん達ならもう知っているかもしれませんが、1歳前後のまだ歯茎が柔らかい頃のお子さんには、ママさんの指で歯茎マッサージをしてあげたりしますよね。
そのスキンシップを応用した、「シートタイプ」なる歯ブラシ(厳密には「ブラシ」ではないですが)があるのです。
1歳前後の、まだお口の中で起きていることが認識できにくいお子さんは、特に歯ブラシを嫌がる傾向があります。だから最初はやさしく、ママさんの指越しという安心感と共に歯を磨くことへの恐怖心をなくしてあげてください。
シートタイプはうがい不要の商品もありますので、お子さんが歯磨き途中に寝てしまった時でも安心です!

②歯磨きに慣れてきた頃(1〜3才)のお子さんにおすすめ!「ジェル」タイプ

歯磨きに慣れてきたら、ササっとすばやくお口全体を綺麗にできる「ジェル」タイプの歯磨き粉を試してみましょう。

1〜3才のお子さんにとっては、お風呂を嫌がったりする子もいるのと同様に、歯磨きを「めんどくさいから」としたがらない・適当にやるお子さんも出てくるお年頃です。
ジェルタイプの歯磨き粉を使えば、透明で泡立ちも少なく、ママさんパパさんがする仕上げ磨きもスムーズにすることができて、歯磨きへの負のイメージを払拭することも。
また、泡立ちが少ないのでお口に残りにくく、まだうがいが苦手なお子さんも安心!
軽くお水でお口をゆすぐ等、ママさんがお口を拭き取ってあげるだけで不快感がなくなります。
歯みがき粉特有の辛さ・刺激が少なめな商品も多く、歯磨き嫌いを克服することもできるでしょう。

② うがいまで上手にできてくる頃(3才以上)のお子さんにピッタリ!「ペースト」タイプ

仕上げをしなくても、だいぶお子さん自身で歯の手入れができてくるようになったら、私たちが使っているものより少し刺激が弱めなペーストタイプがおすすめ!

「大人たちと似たような歯みがき粉を使っている」という背伸びもできるし、フッ素効果でこれまでよりずっと歯の健康を守ることができます。
泡立ちはありますが、しっかりうがいができるまで成長したお子さんなら大丈夫!
しかし、何回もうがいをしたらせっかくの歯みがき粉の効果が薄まってしまうので、何回もうがいをしているお子さんがいれば、「1〜2回でいいんだよ」と教えてあげてくださいね。

成長別に見たお子さんのおすすめ歯みがき粉はいかがでしたか?
また、お子さんの好みに合わせて、イチゴ味やブドウ味、ミントに挑戦してみる等、色々試してみてみるのもおすすめです。

お子さんの歯について不安な事がございましたら、ぜひ、いちば歯科医院へお越しください。

2022.07.13フッ素塗布について

こんにちは!今回は定期検診の中のフッ素について、深く掘り下げていきたいと思います。

 

お子さんがぐんぐん成長し、乳歯が少し生え始めてくる頃に気になるのは「むし歯予防」、歯みがきを嫌がったりしていて心配・・・という方も多いと思います。

しかし安心してください。むし歯は予防ができる病気です!

 

もちろん、毎日の歯みがきは大切です。ですが、ただ単純に歯みがきをしていればむし歯を予防できる、というわけにはいかないのです。

そこで、定期的な歯医者でのチェックや、歯を強化して永久歯も元気に生え揃うためのケアなどが、子どもの乳歯には必要不可欠になっていくのです!

 

先述の通り、定期的な歯医者でのチェック…いわゆる「定期検診」は、大人と同じように、お子さんにも必要なものなのです。

◆定期検診の定番「フッ素塗布」、本当に安全?

お母さんたちも、自分が子どものときは歯医者さんで色んな味をつけてあるフッ素という薬品を歯に塗布してもらった記憶はありませんか?

 

結論から言うとフッ素は安全です。しかも定期的にフッ素塗布を乳幼児へ行なった場合、実施を全くしていない乳幼児に比べむし歯の大半が半滅したというデータもあるのです!

 

ですが、実際に自分のお子さんに受けさせるとなると、わからないことだらけですよね。

では、簡単にフッ素の効果を3つ紹介していきます。

 

  • 再石灰化の促進

フッ素は、むし歯菌から歯を守る役割である再石灰化の効果を持っています。なんと、むし歯を予防するだけではなく、初期のむし歯までならこの再石灰化で治すこともできるのです。

 

  • 歯の質を強化

お子さんの乳歯は、私たち大人の永久歯よりずっと歯の抗菌「ハイドロキシアパタイト」が弱くやわらかい状態です。

しかしフッ素を塗布することで、その「ハイドロキシアパタイト」はなんと、より強い抗菌「フルオロアパタイト」に変化するのです。

つまり、「抵抗力が強く、むし歯に負けない歯」になります!

 

③むし歯菌の活動を抑える

むし歯はむし歯菌が生み出す酸が原因です。しかしフッ素はその菌を生み出すことも抑えることができるのです!

むし歯菌には、食べたものを分解する為に酵素が必要です。フッ素は、この酵素の働きを弱め、むし歯菌の活動を抑えます。

結果、口の中で酸が作られづらくなり、むし歯予防につながります!

 

いかがでしたか?子どものからだの健康だけを気にするのではなく、歯も忘れずにケアしてあげてください。できるだけ毎日一緒に歯磨きの仕上げをしてあげて、歯への関心を高めていきましょう!