歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2024.09.13歯磨きの後のうがい、正しい方法と回数をご紹介します

2024年09月13日

歯を磨いた後、うがいをしますよね。
このうがいの正しい方法と回数をご存知でしょうか?

市販されている多くの歯磨き粉には、フッ素(フッ化物)が配合されています。フッ素はむし歯を予防してくれる成分で、次のような効果があります。

耐酸性および結晶性の向上

歯の表面のエナメル質は、ハイドロキシアパタイトとよばれる結晶からできています。ハイドロキシアパタイトは酸に弱く、酸により結晶構造が壊されることで、むし歯になります。フッ素の効果により、ハイドロキシアパタイトはフルオロアパタイトという安定した結晶構造に変換されるため、歯質が強化されるのです。歯質が強化されるということは、むし歯へのなりにくさに繋がります。特に、お子さまの乳歯はエナメル質が柔らかいため、フッ素の力で歯質を強化することはむし歯予防効果を期待できます。

抗菌/抗酵素作用

フッ素は抗菌作用が高いため、むし歯原因菌をはじめとする様々な細菌がお口の中で増殖するのを防ぎます。さらに、むし歯原因菌が産出する酵素が歯を溶かす酸をつくる過程を、フッ素がブロックします。

エナメル質の再石灰化促進

脱灰によって歯のエナメル質から溶け出したカルシウムやリン酸が、唾液によって再びエナメル質にとりこまれ、失われた部分を補うことを「再石灰化」といいます。フッ素の効果により、唾液中のリン酸イオンやカルシウムイオンが歯に付着しやすくなり、再石灰化を促進します。

特に歯磨き粉を使って歯を磨いた場合、口の中に歯磨き粉が残らないようにしっかりゆすがなければと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、うがいを何回もしてしまうと歯磨き粉に含まれるフッ素などの有効成分が一緒に流れ出てしまうのです。これでは、せっかくの成分が歯やお口の中に残りません。したがって、うがいは「1回」軽くすすぐ程度で問題ありません。