歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2025.06.13マタニティママと歯医者

皆さん、こんにちは!いちば歯科医院です!
妊娠中はお口のトラブルになりやすいってご存知でしょうか?
原因としては
・つわり、体調不良により歯みがきがしづらくなる
・女性ホルモンの増加によりお口の環境が変化
等により、むし歯や歯肉炎などになりやすい状態です。

 

今回は妊娠中に気になる、オーラルケアの仕方や、お口のトラブルを防ぐ為の方法をご紹介させて頂きます!

 

噂として聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、「歯のカルシウムを赤ちゃんに栄養がいってしまうから、妊娠中は歯が悪くなる」や、「子どもを出産すると歯が1本抜けてしまう」等の噂がありますが、真実ではないのでご安心ください。しかし、妊娠により、身体はもちろん、口腔環境も変化し、虫歯や歯周病などにかかりやすくなることは事実なので注意しましょう!

 

妊娠中は女性ホルモンが増加に伴い、歯茎の腫れや出血がおこります。また、唾液の量や質が変化し、より口の中がネバネバしやすい状態になります。唾液の働きが低下する為、口の中の細菌が増えやすくなり、虫歯になりやすい酸性の状態になる為、注意が必要です。

 

更に
・つわりが気持ち悪くてしっかり歯磨きできない
・吐きやすくなり口の中が酸性になりやすくなる
・食生活が変化し、不規則になることで、口の中が酸性になる時間が長くなる
というのも原因になり、虫歯になりやすくなります。

 

また、女性ホルモンのエストロゲンを餌にする歯周病菌による歯周病は、歯周病菌が血管に入り胎盤や子宮に感染して、子宮を収縮させて陣痛を起こすプロスタグランジンを産生することにより、お腹の赤ちゃんに悪影響が出でます。
・低体重児や早産の確率が7倍
・流産のリスクも上がる。
ということもあります。

 

妊婦さんが歯医者に行くタイミングは?

妊娠後期はおなかが大きくなり、仰向けでの治療が難しくなります。そのため、つわりがおさまり体調がよくなる安定期(妊娠5カ月)になったら早めに受診してください。
ただし、妊娠後は治療に使える、麻酔や腫れ止めなどの種類が限られてしまいますので、妊娠前から定期健診をなるべくするようにしてください!

 

赤ちゃんに虫歯が出来ないようにするには?

赤ちゃんは生まれたばかりだと、口腔内に虫歯菌がいない状態です。では、どこから虫歯菌はやってくるのでしょうか?
原因はお母さんや周りの人のお口からやってきます。このことを母子感染と言います。
母子感染は、大人が口移しで食べ物を食べさせたり、同じスプーンや箸を使ったりすることで感染します。
虫歯菌が多い大人からの感染がよく見られます。
歯が生えていない時期に虫歯菌が赤ちゃんの口に入っても、感染はしません。
歯が生えてくる1歳半から2歳半頃が感染しやすいと言われています。

 

赤ちゃんが虫歯菌に感染する時期が早いと、口の中の虫歯菌の割合が上がってしまい、将来、虫歯になりやすくなります。
少しでも、虫歯菌に感染をしないように心がけるだけでも将来の虫歯になりやすくなる確率は下がるので、家族など、周りの人の口の中を清潔に保つことがとても重要です。

 

将来の赤ちゃんのためにも、口の中を綺麗に保つようにしましょう!

2025.05.14子どもの月齢に合わせたフッ素入り歯磨き粉の選び方

むし歯を予防するには、毎日の丁寧な歯磨きに加えフッ素を効果的に活用することも大切です。歯磨き粉であれば手軽にフッ素を毎日のケアに取り入れることができます。

お子さまの月齢に合わせて歯磨き粉を選びましょう。

 

フッ素は危険なもの?

フッ素は化学物質や特殊な薬品ではなく、魚や緑茶、海藻などにも含まれている天然由来ものです。WHOもフッ素がむし歯予防に効果的であるとして使用を推奨しており、適正量を使用していれば危険が生じるようなものではありません。ただし、一度に大量(フッ素濃度950ppmの歯磨き粉を1~2本丸まる飲んでしまうレベル)に摂取すると中毒を起こす可能性があります。フッ素入り歯磨き粉は子どもの手の届かない場所に保管するようにしてください。

 

子どもの月齢にあわせたフッ素濃度

フッ素入りの歯磨き粉は、歯が生え始める生後5~6ヶ月頃から使用できます。5歳頃までは、フッ素濃度500ppmのものを選びましょう。1回の使用量は、6ヶ月頃であれば米粒程度、3歳~5歳頃では5mm程度が万が一飲み込んでしまっても安全な量です。

6歳以上は1000ppmのフッ素入り歯磨き粉を使用できます。歯ブラシに1cm程度を出して使いましょう。

 

歯科医院でのフッ素塗布もお忘れなく

家庭用のフッ素入り歯磨き粉では濃度に制限がありますが、歯科医院でのフッ素塗布に使用するものには9000ppmと高濃度のフッ素が配合されています。むし歯を効果的に予防するためにも、定期的に歯科医院でフッ素塗布を行うようにしましょう。

 

フッ素入り歯磨き粉は正しく使用することで、安全に効果的にむし歯を予防することができます。選び方などがわからない場合には、お気軽に当院までご相談くださいね。

2025.04.14子どもの頃に矯正は始めるべきなのか?

お子さまの歯並びや噛み合わせが気になってきたら、歯列矯正を検討なさる方も多いかと思います。子どもの歯列矯正の目的は、顎が正しい方向に成長できるように促し、永久歯が適切な位置に生えるようにすることです。

歯科矯正を子どもの頃に始めることで、様々なメリットがあります。

 

顎の骨が正しい方向に成長する

歯並びや噛み合わせがよくないまま成長期を終えると、顎の骨だけでなく顔の輪郭そのものまでも歪んでしまう可能性があります。これらの歪みは見た目のコンプレックスに繋がるだけでなく、全身の負担から機能面に支障が出ることもあるため注意が必要です。子どものうちに矯正治療を受けて顎の骨を正しい方向に成長させることが出来れば、これらのリスクは軽減でき、さらに発音や滑舌、呼吸にも良い影響をもたらすことが期待できます。

 

お口の中を清潔に保ちやすくなり、むし歯や歯周炎を予防できる

歯並びが整うことで、歯ブラシの毛先が細かい部分にも届きやすくなり、毎日のケアもしやすくなります。毎日の歯磨きが効率的に行えることは、むし歯や歯周炎を予防することに繋がります。

 

抜歯をせずに治療できるケースが多い

成長期である子どものうちに矯正治療を始めることで、顎の骨の成長を促しながら治療を進めることができます。これにより、歯が並ぶスペースをしっかり確保できるため抜歯をせずに矯正治療ができるケースも多くあります。また、成長段階にある顎の骨は完全には固まっていないため矯正治療の効果が現れるのも大人より早いとされており、歯が動く際の痛みも大人より少ないといわれています。

 

成長期に歯列矯正治療を受けておくことで、歯並びや噛み合わせを整えられるだけでなく生涯健康に生きていくための土台作りをすることができます。

矯正治療をご検討中の方はぜひお気軽に当院までご相談ください。

2025.03.14五感を育てる乳幼児期の食事とは

生涯を通して自分の歯で食事を楽しむには、乳幼児期のうちに食べ方、味わい方を学ぶことがとても大切です。口や歯の成長に合わせて食事をするにはどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?

 

初めての食事は母乳やミルク

赤ちゃんが母乳やミルクを吸う動作は、おなかの中にいるころから既に身についています。指しゃぶりもその一つです。赤ちゃんにとって口はものを感知して認識するためのセンサーのような役割をしています。

 

生後5~6ヶ月頃の離乳食は舌でつぶせる固さから

離乳食をはじめる生後5~6ヶ月ごろは、乳歯が生え始める時期でもあります。離乳食は舌でつぶせる固さのものを赤ちゃんのペースに合わせて少しずつ与えるようにしましょう。母乳やミルクは飲みたいだけ与えます。

 

生後9~11ヶ月頃は歯ぐきでつぶせる固さに

この時期になると手やスプーンを使って食べるような動きへ発達していきます。食べ物による味の違い、固さの違い、食感の違いなど、様々な違いを楽しめるような工夫が五感を育てる食事に繋がります。自分で食べる喜びを大切にしながら、家族で食事を楽しむ習慣をつけましょう。

 

生後12~18ヶ月頃は歯ぐきで噛める固さに

1歳前後になると歯で噛むこともできるようになってきます。歯が生えそろうにつれて固いものも意識的に食事に取り入れることで、食事の食べ方や味わい方を学べるようになるでしょう。1日3回の食事を中心に生活リズムを整えていくことも大切です。

 

乳幼児期の頃から様々な食べ物を経験することで、食事が楽しい時間であるということを伝えられるような食卓づくりを心がけていきましょう。

2025.02.14おやつで気をつけたいこと

子どもにとっておやつは、一日の中でも特に楽しみな時間かと思います。むし歯を予防しつつも、楽しく美味しくおやつを食べるために気をつけたいことをご紹介します。

 

時間を決めて、だらだらと食べない

ものを食べると口の中が酸性に傾き、歯のエナメル質が溶け出しやすくなりますが、唾液の緩衝作用によりまた中性に戻ろうとする力が働きます。しかし、だらだらと食べたり間隔を開けずに何回も間食をするようなことがあると、口の中が中性に戻る前にまた酸性に傾いてしまいます。エナメル質が溶け出すことがむし歯の始まりなので、そのような状況を作り出さないように気をつける必要があります。

 

口の中に残りにくいものを食べる

キャラメルやクッキーのように粘着性の高いお菓子は歯につきやすく、口の中にも残りやすいため、むし歯のリスクが高まります。ゼリーやフルーツのように歯につきにくく、口の中をさっと通るようなものを選ぶと良いでしょう。

 

味覚の形成のために、甘いものや塩味の濃いものは控えめに

人の味覚は3歳頃までに形成されるといわれています。まだ月齢が小さいうちから甘いものや濃い味のお菓子ばかりを食べていると、正常な味覚や健全な脳の発達に影響を及ぼす恐れがあるので特に注意が必要です。

 

おやつは「第4の食事」ともいわれている大切な習慣です。むし歯を予防しながらも、楽しく美味しく食べさせてあげることで、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。