歯周病とはどのような病気?
2024年04月27日
こんにちは、
医療法人志尊会 理事長の市場亮志です。
歯周病とはどのような病気?
「歯周病を予防しましょう」というフレーズを歯科医院や広告で耳にしたことがある方は多いでしょう。しかし、なぜそこまで予防が重要なのでしょうか。歯周病とは、ただ単に歯ぐきの病気ではなく、全身の健康にも関わる重大な病気なのです。今回はその点についてご説明いたします。
歯周病の概要
歯周病とは、歯を支えている組織、すなわち歯ぐきや歯槽骨(顎の骨)、歯根膜などに起こる慢性的な炎症の総称です。初期段階では歯ぐきだけに炎症が生じる「歯肉炎」と呼ばれ、進行すると顎の骨にまで炎症が広がる「歯周炎」となります。
歯周病の最大の原因は、プラーク(歯垢)です。プラークは、食べかすや磨き残しから発生する細菌の塊で、放置すると炎症を引き起こし、歯を支える組織を徐々に破壊していきます。さらに生活習慣や喫煙、糖尿病などの全身疾患も進行に影響することがわかっています。
毎日歯磨きをしていれば安心?
毎日しっかり歯磨きをしているから大丈夫、と思う方も少なくありません。しかし厚生労働省の調査では、1日1回以上歯を磨く人は約95%で、ほとんどの人が日々歯磨きをしているにもかかわらず、歯周病の罹患率は年齢とともに増加します。特に45歳以上では約半数が歯周病にかかっているとされ、毎日磨いていても磨き残しや歯磨き方法の不十分さにより歯周病は進行するのです。
歯周病がもたらす影響
歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因であり、放置すると食事がしにくくなり、会話や笑顔にも影響が出ます。また近年の研究では、歯周病が心臓病や脳梗塞、糖尿病、認知症など全身疾患のリスクを高める可能性も報告されています。さらに初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、気づいたときには重症化しているケースも少なくありません。こうした理由から、早期の予防と定期的なチェックが非常に重要です。
歯周病のサイン
以下の症状が一つでもある場合は、歯周病の可能性があります。早めに歯科医院で検査を受けることをおすすめします。
歯磨きで出血する
口臭が気になる
歯ぐきが赤く腫れて柔らかくなっている
歯がぐらぐら揺れる
口の中がねばつく
歯が以前より長く見える
歯と歯の間に隙間ができた
まとめ
歯周病は、歯ぐきだけでなく全身の健康にも関わる病気です。毎日の正しいセルフケアと歯科での定期的な検診を組み合わせることで、予防や早期発見が可能です。
歯周病は「知らないうちに進行する怖い病気」ですが、正しい知識と習慣でしっかり守ることができます。今からでも遅くありません。毎日の歯磨きと定期健診で、健康な歯と歯ぐきを保ちましょう。







