歯科のレントゲンで何が分かる?
2024年01月12日
こんにちは、
医療法人志尊会、理事長の市場亮志です。
歯科のレントゲンで何が分かる?〜見えない部分を確認する大切な検査〜
歯科医院を受診した際、多くの方がレントゲン撮影を経験されたことがあると思います。虫歯の有無や歯周病の進行を確認するために撮影されますが、そもそも歯科のレントゲンには何が映り、どのようなことが分かるのでしょうか。今回は、レントゲンの種類や特徴、診断で得られる情報について詳しく解説します。
レントゲンには何が映るのか?
歯科で用いられるレントゲンはX線を使用して、体の内部構造の透過度の差を画像として可視化する検査です。X線は、硬い組織と軟らかい組織で透過度が異なる性質があります。
白く映るもの:歯や顎の骨、金属の被せ物や詰め物、歯石などの硬い組織や人工物
黒く映るもの:歯ぐきや皮膚、粘膜、筋肉、脂肪などの軟組織、そして初期の虫歯など
このように、目視では確認できない歯の内部や骨の状態も、レントゲンを使うことで把握できるのです。
歯科レントゲンの種類
歯科で撮影されるレントゲンにはいくつか種類があり、それぞれ目的や得られる情報が異なります。
パノラマレントゲン
お口全体を一枚で撮影できる最も一般的なレントゲンです。歯列だけでなく、顎の骨や顎関節の状態も同時に確認できます。特に歯の生え変わりや親知らず、埋伏歯(歯ぐきの中に埋まっている歯)の位置確認に有効です。
デンタルレントゲン
3~4歯分の小さな範囲を詳細に撮影するレントゲンです。歯1本1本の虫歯や歯周病の進行状況、根の形や根管治療の状態など、より精密な診断に使用されます。
歯科用CT
3次元で歯や骨の状態を把握できるCTスキャンです。インプラント治療や歯列矯正の計画に必須で、骨の厚みや神経の位置、歯の傾きなど、2次元のレントゲンでは分からない情報も得られます。
レントゲンで分かること
レントゲンの種類によって得られる情報は異なりますが、共通して「目視では分からない歯の内部や顎の状態」を確認できます。
パノラマレントゲンで分かること
歯の生え変わりや先天性欠損の有無
埋伏歯や過剰歯(余分に生えている歯)の位置
親知らずの向きや生え方
虫歯や歯周病の進行状況
デンタルレントゲンで分かること
詳細な虫歯や歯周病の進行具合
歯の根や根管治療の充填状態
インプラント周囲の骨の状態
歯科用CTで分かること
埋伏歯や親知らずの正確な位置、神経との関係
根尖病巣や歯根の形態
骨の厚みや形状、将来の治療計画に必要な情報
レントゲンの重要性
外から目視するだけでは、歯の内部で進行している虫歯や歯周病の状態、骨の状態などを正確に把握することはできません。レントゲン検査はこれらを明らかにし、適切な治療計画を立てるために欠かせない検査です。安全性も高く、現代の歯科用レントゲンは被曝量も非常に少ないため、安心して受けられます。
正確な診断と効果的な治療を行うためにも、必要なレントゲン検査は積極的に受けていただくことをおすすめします。疑問や不安がある場合は、遠慮なく私たちに相談してください。







