歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2019.11.27つながりの証

母親とこどものつながりの証である「臍の緒」を、桐箱にいれて保管されているご家庭は多いかと思います。

これは江戸時代頃からの習わしとして今に引き継がれていますが、日本独自の風習で諸外国の方にはあまりなじみがないようです。

成長して大きくなったら見せてあげるね、と母にみせられたことがありましたが、正
直カピカピに干からびたスルメの様な臍の緒には、母親とのつながりを感じられることはなく愛くるしさもありませんでした(*_*;。。 

私は子どもたちが親になった時に渡してあげようと保管しているものがあります。

 

臍の緒以上にこどもと母親との深いつながりを感じさせるもの、見た目も変わることなく愛くるしい幼い時を思い出させるもの。

それは、「小さくてきれいな、虫歯菌に感染されてない乳歯」です。

生まれてくる赤ん坊のお口になかには虫歯菌はいません。歯が生え始める頃に、家族からの口移しなどで感染します。

だからといって可愛い赤ちゃんにキスをしない母親なんているでしょうか。

私自身虫歯になるのを気にしていたものの、粉ミルクを飲ませた後に白湯を飲ませることなくそのまま一緒に眠りこんでいましたし、砂糖の入ったおやつもスナックもジュースも早い時期から与えていました。

その代わり、歯が生え始めてから永久歯に変わる10‾12年の間、どんなに面倒であっ
てもこどもに嫌がられても「こどもへの仕上げ磨き」はやり続けました。

細菌という目に見えないものを相手に戦うわけですから、歯科衛生士の私でさえ自身の歯を今でも虫歯菌に感染させてしまうくらいで、技術や知識だけではかなう相手ではなく、それでも歯がある限り一生戦わなくてはならないわけで、、、

そんな相手から、か弱い乳歯を幼い子ども本人だけで戦い守れることができるでしょうか。

お口の中の菌の環境は常に変化します。口腔内という環境に一度住み着いてしまった
菌をなくすことはできませんが、菌の活動力を抑えるために菌のエネルギー源となる食べ物を摂取したあとはきれいにそうじをしなければなりませんので、そうじの仕方を習得したり(ブラッシング指導)、菌が出す毒素に歯質が耐えれるように定期的に薬の力を借りたり(フッ素塗布)、汚染された箇所を見つけ出し小さいうちに治療を行うなど(定期的な検診・虫歯治療)、早いうちから専門家の力を借りることも大事です。

仕上げ磨きは低学年までは必須で、そのあともできる限り続けてあげる方がよく、せめてフロスだけでも通してあげたり、歯科医院を受診させたりと、お子様自身が一人で管理できるようになるまでは保護者のかたのお力が必要になります。

わが子達が将来、白い歯を見せて思いきり笑い、その健康な歯で何でも美味しく噛めることができたなら、そして同じ思いを親になって引き継いでいってくれるな
ら、、、

そう願ってわが子の歯を守り続けていくと、「母と子と孫の三世代にわたるつながりの証」になるような気がします(*^-^*)