歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2022.10.21乳歯が抜けても永久歯が生えてこない!?

お子さんの乳歯はたいていの場合、6歳頃に生え変わり始めますね。

下の前歯から始めに抜け、次に臼歯…とみるみるうちに生え変わっていくのがほとんどだと思います。
しかし中には、「乳歯が抜けたのはいいものの、永久歯が生え変わって来ない」といった問題を抱えたお子さんもいます。
今回は、その原因や対処法についてご紹介させていただきます。

◆原因① 歯が生えてくるはずの隙間がない
これが「乳歯が抜けたのはいいものの、永久歯が生え変わって来ない」お子さんの一番の理由の場合が多いそうです。
特に上の前歯は頻繁に起こってしまうそうで、なぜだかわかりますか?

それは、生え変わりに合わせて上顎が成長できていないからです。
正常なら、上の前歯が生えてくる時に上顎が成長して大きくなり、永久歯が生えてくるスペースが自動的にできるのですが、多くのお子さんは生え変わりの時期にまだ成長しきれていない場合が多いそう。
だから、前歯が生えてくるスペースが不十分で、生えたくても生えることができない状況になっているのです。

◇対処法は?
焦って歯科矯正をしなくとも、時間の経過で生えてくる可能性があります。
ですが、他の生えることのできる永久歯が生えてから生えることとなるので、少し歯並びが気になったりすることも。
なので、気になる方は歯科医師と相談するといいでしょう。

◆原因② 埋伏歯
聞き慣れない単語に疑問を浮かべた方もいるかもしれません。
乳歯が抜けても永久歯が生えてこない原因の一つに、埋伏歯というものがあります。
埋伏歯とは、漢字通り「歯が埋まって出てこない」状態のこと。
この場合は、原因①で紹介した上顎のケースと違い、それより少し危ない状態です。
なぜなら、時間経過でも生えてこないからです。

◇対処法は?
埋伏歯と判明すれば、直ぐその埋まった歯を本来出てくるはずの場所へ引っ張り上げなければなりません。しかし発見が遅ければ、引っ張り出すことが難しくなってしまうことも…
なので、大切なのが「歯医者の定期検診」です!
定期的に永久歯の生え変わりを確認することが、埋伏歯の早期発見となります。

◆原因③ 先天性欠如
お子さんによっては、生まれつき永久歯がないということも十分あります。
驚かれた方もいると思いますが、実は最近の日本小児歯科学会の調査によると、10人に1人の確率(10.1%)で先天性欠如のお子さんがいるそう。
先天性欠如とは簡単に言うと「乳歯がいつまで経っても抜けなくて、永久歯が生えてこない」ということになりますね。

◇対処法は?
対処法はありませんが、対策があります。
それは、「生えてこない永久歯の代用となる、その乳歯をどれだけ大切に残すか」です。
先天性欠如は誰が持っていてもおかしくないので、日ごろから永久歯だけでなく乳歯も大切にして、歯磨きを欠かさずしていけば何も問題はありません。

いかがでしたか?歯磨きの仕上げなどでお子さんの歯の状態を見ると思いますが、乳歯が抜けたのに、永久歯が生えてくる気配が無かったりすれば、歯科医師さんに相談してみるのもいいと思います。

このような不安や悩みがございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。