歯医者で働く、子どもを持つママ達のブログ

2022.09.27お子さんの交叉咬合(こうさこうごう)について

交叉咬合(こうさこうごう)、皆さんは聞いたことがありますか?
あまり知らない方も多いのではないでしょうか。そんな『交叉咬合』について、今回は詳しく掘り下げていきます。

◆交叉咬合ってなに?
まず、交叉咬合とは、一言で言えば『噛み合わせの異常』です。
この症状に悩まされる年齢層は様々で、4才くらいからの小さなお子様や大人まで、幅広く私達を悩ませています。
しかし、噛み合わせの異常と聞いても、歯並びがガタガタですとか、その様な漠然とした状態しか想像できない方が多いと思います。
そこで、交叉咬合についての色々なパターンを一つずつ見ていこうと思います。

●交叉咬合(こうさこうごう)
本来、下の歯は上の歯の内側にありますが、それがひとつの歯や数本にわたって反対になっている状態を『交叉咬合』と呼びます。
最も多い症状から、交叉咬合といえば基本的にはこのパターンです。
この場合、成長につれて、顎の骨の形も横に曲がっていってしまうため、できるだけ早く治療を開始する必要があります。

●開咬(かいこう)
上下の歯の間に大きな隙間ができてしまい、前歯が噛み合っていない状態のことを『開咬』といいます。
もしお子さんがいらっしゃるなら少し注意して見ていただきたいのですが、この開咬はお子さんの『舌突出癖』(唾を飲むとき、上の歯と下の歯の間に舌を挟んでしまう癖のこと)や『指吸い』のせいで発症する場合が多いのです。

●反対咬合(はんたいこうごう)
反対咬合とは、下の前歯、あるいは下顎全体が前に出ている状態をいいます。(『受け口』と呼ぶ地域もある様です)
こちらは比較的気付きやすいので、放置せずになるべく早めの治療をお勧めします。

●出っ歯
出っ歯もかなり想像しやすいのではないでしょうか。
出っ歯は『上顎前突』という正式な名称がついており、いわば上記で説明した『反対咬合』の『反対』です。
上の顎が出ている、出過ぎている状態や、逆に下の顎が引っ込みすぎているという状態を表します。

◆交叉咬合の原因は?
開咬(かいこう)の欄で少し触れましたが、お子さんの場合は、4才くらいになっても爪噛み・指しゃぶりが卒業できていないお子さんや、舌の癖が悪く、口呼吸をよくするお子さんが交叉咬合になりやすいと言われています。

◆もしなってしまった場合は?治療法はあるの?
治療する事ができますので、ご安心ください。まずは歯科医師に相談し、お子さん1人1人に合わせた治療法を確立することが大切ですが、多くはマウスピースなどによる矯正治療で、綺麗な美しい歯に戻していきます。

いかがでしたでしょうか。
『交叉咬合』、字体の感じがパッと見難しそうに感じ、身近で誰もがなりやすいような症状だとは思わなかった方もいたと思います。
お子さんが思春期になって、歯並びで悩み始めた時にはかなり治療が難しいことになってしまっている場合もあります。その場合は、直接顎の骨から整形しないといけない等、大掛かりな施術が必要になってしまいます。
そうなると、もちろんお子さんの負担もかかりますし、治療費もそれなりに多く取られてしまいます。
そして、歯並びの悪さは外見だけではなく、運動や普段の生活のおいても支障をきたしてしまう場合もあります。ものによっては歯が折れやすくなってしまったり、集中しにくい歯並びだったり・・・

そうならないためにも、普段からお子さんの歯みがきの仕上げや、一緒におしゃべりするときなど、ちゃんと歯の様子を見ていてあげてください。
よくない癖があれば優しく注意し、それだけで癖が治りそうになかったら、専用の楽しく噛めるおもちゃなどもたくさん増えています。
楽しく予防していきましょう!
何かお困りの事がございましたら、お気軽に「いちば歯科医院」へご相談下さい。