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たばこと歯の関係について|鶴見区の歯医者 いちば歯科医院

2023年05月07日

皆さん、こんにちは。

鶴見区の歯医者、いちば歯科医院 です。

本日はタバコと歯の関係について解説をしていきたいと思います。

ぜひ、最後まで御覧ください。

□たばこの危険性

たばこには、ニコチン、タール、一酸化炭素など多くの有害物質が含まれています。タバコの煙には4,000種類の化学物質が含まれ、そのうち200種類以上は有害物質で、発ガン性物質は70種類にものぼると言われています。

たばこを吸うと、ニコチンが脳に働きかけて快感をもたらし、「吸わずにはいられない」状態をつくりだします。タールはフィルターに茶色く付着する、ヤニのようなべっとりしたもので強力な発がん性があります。そしてこのタールは、唾液の分泌量を減少させる作用があり、むし歯や歯周病の元となる歯垢や歯石が歯に付着する要因にもなるのです。一酸化炭素は酸素の200~250倍の力でヘモグロビンと結合し、血液の酸素運搬機能が阻害され、末端組織の酸素欠乏を引き起こします。ニコチン血管を収縮させる作用も加わって血液循環が悪化し、歯ぐきに酸素や栄養がいきわたらない状態になるのです。

 

たばこには依存性があり、喫煙により満足感やリラックス効果を得ることから、習慣化します。特に若年でたばこを吸い始めると、より高度なニコチン依存性に陥りやすいことが明らかになっています。

 

たばこを吸うことでなりやすくなる病気

たばこは、肺がんをはじめ、多くのがんや、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患、慢性気管支炎、肺気腫など、数多くの疾患に深く関係しています。妊婦の喫煙は、流産、早産、死産、低体重児、先天異常、新生児死亡のリスクが高まります。喫煙により引き起こされるさまざまな健康障害により、喫煙者は、非喫煙者と比較すると概ね10歳程度、余命が短くなることが明らかになっています。

 

お口(口腔)は、体の中で最初に喫煙の影響を受ける部分です。口腔内に貯留、通過するたばこの煙による直接的影響と血液を介した間接的影響の双方が関わることで、歯にも大きな影響を及ぼします。

 

たばこを吸うと歯が抜ける?

喫煙者は非喫煙者に比べると歯が抜ける確率や抜ける本数が増える可能性があると、多くの歯医者が指摘しています。

たばこの煙の主成分であるニコチンの血管収縮作用と一酸化炭素の血液の酸素運搬能の阻害作用により、血流の悪化・唾液分泌が低下し、歯周病の原因となる細菌が増え、歯周病に罹患しやすくなります。さらに、血流が悪化することで栄養が不足しがちになり歯周組織を再生させる能力も低下するため、歯周病が悪化しやすくなります。歯肉炎が進行し歯周病も進み、歯を失うという結果を招いてしまうことにもなるのです。唾液分泌が低下することで口腔内の自浄作用が弱まり、歯垢が沈着した結果、むし歯になりやすいことも指摘されています。

さらに、喫煙者は非喫煙者と比べて、インプラントなどの手術後の治りが悪い、歯周病治療の治りも悪い傾向があると言われています。

その他にも、喫煙者は口腔がん・白板症の発症のほか、たばこの色素沈着・口臭など様々な影響が見られます。喫煙者だけでなく、受動喫煙者にもメラニン色素沈着などの症状が見られます。

*歯に付着したヤニは、歯みがきで取り除くことができます。ただしその際には歯のエナメル質を傷つけないよう、やさしく磨く必要があります。歯を磨く際は力を込めず、ヤニを溶かす薬用成分の入った歯みがき剤を使うと良いでしょう。さらには定期的に歯医者に行き、歯のクリーニングをしてもらうこともおすすめします。

 

吸わない人も危険

タバコの煙には、喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と、点火部から立ち上る「副流煙」、喫煙者から吐き出される「呼出煙」があります。

空気中に漂う呼出煙と副流煙を「環境たばこ煙」と呼び、それらにさらされることを「受動喫煙」といいます。

 

さて、副流煙には、喫煙者が直接吸い込む主流煙よりもたくさんの発がん性物質や大気汚染を引き起こすPM2.5 などの有害物質が含まれています。たばこの有害成分は低温の不完全燃焼時により多く発生するため、副流煙は主流煙よりも多量の有害物質を含むことが知られているのです。喫煙しない人の健康にも悪影響を及ぼすといわれるのは、受動喫煙のこうした性質によるものです。

 

*副流煙には主流煙より多くの有害物質が含まれています

 (一酸化炭素 3.4〜21.4倍  ニコチン 2.8 〜 19.6倍 タール 1.2 〜 10.1倍)

※市販たばこ7種類での最小値・最大値 厚生労働省より引用

 

煙がなければ大丈夫ということではありません。たばこ由来のニコチンや化学物質は、喫煙者の毛髪や衣類、部屋や自動車のソファやカーペット、カーテンなどの表面に付着して残留することが知られています。環境たばこ煙そのものにさらされる受動喫煙に加え、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸入することを「三次喫煙」といい、近年ではこの影響も見逃せないものとなっています。

 

 

受動喫煙や三次喫煙による健康への影響

受動喫煙との関連が確実とされる病気は、大人は肺がん、脳卒中、虚血性心疾患、COPDなど、子どもは乳幼児突然死症候群、喘息の既往、中耳疾患、呼吸器低下などが挙げられます。

胎児・乳幼児を含む子どもたちは、自分でたばこの煙を避けることができず、部屋で過ごす時間が長い乳幼児などでは三次喫煙による影響が懸念されます。

また、妊婦がたばこを吸うと胎児の成長が悪くなり、低体重の赤ちゃんが生まれることがあります。ニコチンは、母乳のもとになる血液に入るため、その母乳を飲む赤ちゃんは、吐きやすくなったり、下痢しやすくなったりすると言われています。家庭内だけでなく屋外や車中でも、受動喫煙から守る環境をつくるために、ぜひ禁煙しましょう。

 

□COPDとは

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、WHOの報告では2016年に世界の死因の第3位となり、重要な社会問題となっています。主に長期間の喫煙が原因とされる肺の病気で、別名「タバコ病」とも呼ばれます。

COPDは、最初は咳や痰、息切れなどの症状ですが、次第に呼吸障害が進行し酸素吸入が必要となる病気です。

九州大学の研究によると、歯ぐきが健康な人や歯周病が軽度の人に比べ、歯周病が重度な人はCOPDを5年以内に発症する割合が3.5倍も高く、COPD患者の約4人に1人は中等度以上の歯周病が原因である可能性が示されました。先ほど喫煙と歯周病の関係性についてご説明しましたが、喫煙しないことで歯周病リスクを下げることが、COPDを発症させない近道にもなりそうです。COPDは受動喫煙でも発症するので、受動喫煙を徹底的に避けることも重要です。

 

また、たばこに含まれるニコチンには強い依存性があります。そのため、たばこをやめようとするとイライラする、気が散って他のことができないなど、たばこをやめることは簡単ではありません。心理・行動的依存の状態にあり喫煙が習慣化していることも禁煙を困難にしていますが、現在は、禁煙外来や禁煙補助など、自分に合った方法で禁煙に取り組むことが可能です。禁煙すると、禁煙直後から身体はたばこのダメージから回復しようと機能し始めます。禁煙を継続することで、肺がんをはじめとするさまざまな病気のリスクが低下します。

 

周りへの配慮

ベランダで喫煙しても、すぐに室内に入れば呼気から大量の有害物質がまき散らされ、煙草を吸わない家族に受動喫煙の被害を与えてしまいます。それだけではありません。喫煙者の毛髪や衣類、部屋や自動車のソファやカーペット、カーテンなどの表面に付着して残留したニコチンなどの化学物質が汚染源となる三次喫煙の被害も見逃せません。

肺がん・虚血性心疾患・脳卒中・乳幼児突然死症候群などにより、受動喫煙が原因の死亡者は年間一万五千人に達するといわれています。

 

加熱式たばこなら、大丈夫?

最近、煙が出ない新しいタイプのたばこが登場しています。その一つが加熱式たばこです。たばこの葉を電気で加熱して蒸気を発生させ、ニコチンを吸い込むものです。

加熱式タバコの最大の特徴は、煙に含まれているタールの分量が少ないところにあります。タールは、タバコを吸うことで付着する「ヤニ」の原因になりますから、歯の着色汚れこそ軽減されますが、ニコチンの影響は依然としてありますので、歯周病にかかりやすく、進みやすい、治りにくい状況は変わりません。

 

国立がん研究センターの調査によると、加熱式たばこ喫煙時の室内におけるニコチン濃度は、紙巻たばこに比べると低いということは言えるものの、加熱式たばこの主流煙には、紙巻たばこと同程度のニコチンを含む製品があることもわかっています。また、加熱式たばこを吸う人が吐き出した煙(正確にはエアロゾル)を吸わされることで受動喫煙が生じ、吸う人と吸わされる人ともにどの程度健康影響があるかの研究成果は、加熱式たばこが発売されてからの日が浅いせいもあり、まだ明らかになっていません。

 

禁煙外来について

禁煙を決意したとしても、「口のさみしさをどう埋めたらよいのか」「仕事のイライラの解消法が分からない」などの不安や心配から禁煙をあきらめてしまいがちです。

ですが、今日では、喫煙は心理的依存とニコチン(依存性薬物)に対する身体的依存(ニコチン依存)より成り立つ「ニコチン依存症(薬物依存症の一つ)」という精神疾患として認識され、一定の条件を満たした医療機関では保険診療可能となりました。言い換えると、喫煙は嗜好や趣味の問題ではなく、喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)という病気なのです。

 

最近は、禁煙外来を設けた医療機関も増えていますし、内科や循環器科、心療内科、婦人科など、さまざまな診療科でも禁煙治療が受けられます。

禁煙を始めて2、3日はニコチン切れのイライラやストレスなどの離脱症状が現れますが、医療用禁煙補助薬などを使うことにより、離脱症状を和らげることができ、禁煙治療の成功率は7〜8割といわれています。

また医療用禁煙補助薬はなくても医師や看護師が、一人ひとりに合ったアドバイスをしてくれるため、禁煙治療を成功に導きます。

 

禁煙で社会にも貢献?

2018年8月に厚生労働省から、たばこの害は社会全体の大損失になるという驚きの研究結果が出されています。主な内訳は、たばこが原因と考えられる病気(がん、脳卒中、心筋梗塞、認知症)にかかる医療費が1兆6,900億円、これらの病気で必要になった介護費2,600億円、たばこによる火災などの関連費が1,000億円でした。

医療費の中でもがんの治療費が5,000億円超になっている他、受動喫煙が原因の医療費は3,300億円で、脳血管疾患による医療費が多くなっています。

この莫大な損失額を削減するためにも、やはり禁煙と受動喫煙防止が不可欠であると考えます。

 

たばこ税

日本のたばこ価格の6割以上は消費税を含めた税金です。財務省のたばこ税収は、年間約2兆円。重要な財源である一方で、喫煙で国民が健康を害し、医療費を底上げしているため、たばこ税を、医療費を賄う財源にという声も挙がっています。

 

まとめ

実は世界に感染が広がった新型コロナウイルス感染症については、喫煙が重症化の最大リスクであることが明らかになっています。感染して重症化し、人工呼吸器が必要になった人と死亡した人の数は、非喫煙者の3倍以上という報告がありますし、WHOでも新型コロナウイルス感染症対策として禁煙を推奨しています。

 

歯科において喫煙は最大のリスクとなるのは歯周病の悪化ですが、その歯周病が肺炎や心筋梗塞、脳梗塞などの原因になっていることは最近の研究からも明らかになっています。肺の中を確かめることはできませんが、歯科医院で喫煙によってタールが沈着し、血流が滞って黒く変化した歯肉を見れば、喫煙の恐ろしさがご理解いただけることでしょう。

 

喫煙はたばこを吸った瞬間の問題だけでなく、受動喫煙や三次喫煙といった影響も明らかになりはじめています。喫煙はやめようとしてもやめることのできない依存症ですから、「喫煙は病気、喫煙者は患者」と認識し、他の生活習慣病と同じように、気楽に積極的に治療を受けることが大切です。

子供向け歯ブラシの選び方

2023年04月14日

効率良く歯磨きをするには、適切な歯ブラシ選びが大切です。
子どもに適した歯ブラシとはどのような歯ブラシなのでしょうか?成長の段階に合わせてた歯ブラシの特徴を、磨き方と一緒にご紹介します。

●歯磨きは乳歯が生え始める生後5~6ヶ月頃から

乳歯が生え始めたら、歯ブラシでの歯磨きもスタートしましょう。初めのうちは異物が口に入るのを嫌がる赤ちゃんもいますので、ガーゼで汚れを拭うことから慣れさせても問題ありません。歯ブラシを使用する場合は、毛先が柔らかく、ヘッドの大きさは乳歯2本分程度の大きさのものを選びましょう。柄が長すぎないものやストッパーがついているものだと安心です。

●自分で磨くようになったら

3歳~5歳頃になると、自分で磨きたい子どももいるでしょう。これまで同様にヘッドの大きさは小さめのもので、柄は握りやすいように丸みのあるものがおすすめです。自分で磨くようになったとしても、仕上げ磨きは毎日必ず行うようにしてください。

●生え変わり期の歯磨きは特に丁寧に

乳歯から永久歯に生え変わる6歳~12歳頃は、乳歯と永久歯が混在するため歯並びに凹凸が生じて磨きにくく、子ども本人が磨けたつもりでも実際には十分に磨けていないことが多々あります。細かい凹凸もしっかり磨けるように、ヘッドは小さく薄い歯ブラシを選ぶとよいでしょう。そしてこの時期も引き続き、保護者の方の仕上げ磨きは欠かさず行ってください。

月齢にあわせた歯ブラシを選んで、効果的にむし歯を予防しましょう。

妊娠中の口腔内トラブルについて

2022年11月24日

こんにちは!

現在妊娠を考えている方や不妊治療中の方、きちんと歯科検診に行かれてますか?

当院では検診やむし歯治療はできるだけ妊娠前(妊活中)にしておくことをおすすめしています。

今回は妊婦さんの歯科検診の必要性や治療を受ける時期についてをお話ししていきます。

 

〜妊活中に歯科検診が必要な理由〜

●子どものむし歯リスクが上がる

出産直後の赤ちゃんのお口の中には、むし歯菌(ミュータンス菌)が存在しません。

しかし、母親にむし歯があると唾液を介して赤ちゃんのむし歯リスクが上がるといわれています。

これから生まれてくる子どものむし歯を防ぐためには、まずお母さんのむし歯を治して、口腔環境を整えておくことが大切なのです。

 

●歯周病が胎児に影響を及ぼす

近年では、歯周病が胎児の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があることが判明しています。

母体が歯周病にかかっていると、早産や低体重児出産のリスクを高める恐れがあります。

女性は妊娠すると、ホルモンバランスの影響で、より歯周病にかかりやすくなります。歯周病を予防・治療するためにも、できるだけ妊娠前に歯科検診を受けておきましょう。

 

妊娠中は通いにくい

歯科治療は妊娠してからでも受けることができますが、安定期までは控えたほうがいいといわれています。

また、つわりがひどいときや、お腹が大きくなったときは、治療そのものが困難になることもあります。これらを踏まえると、体力的にも余裕のある妊娠前に治療しておいたほうが安心です。

 

産後は通院が難しくなる

産後は赤ちゃんのお世話で手一杯になることもあり、通院がさらに難しくなる可能性があります。

時間に余裕のある時期に受けておいたほうがいいでしょう。

 

〜妊娠中のお口のトラブル〜

1.お口の中がネバネバする

妊娠中は個人差はありますが、唾液の分泌量が少なくなります。

つわりなどで歯磨きが不十分になると、お口の中がネバネバしてきます。

 

2.むし歯ができやすくなる

つわりなどによりお口のケアが難しくなり、むし歯になるリスクが高くなります。

 

3.口臭が強くなる

女性ホルモンの変化にともなって、お口の中で菌が増えやすい状態になります。

その菌が原因となって口臭が強くなります。

 

4.歯ぐきの腫れや出血

妊娠中は歯肉が赤くなり、腫れやすくなります。たまに歯肉から出血することもあります。

これを妊娠性歯肉炎といい、放っておくと悪化してしまいます。

最悪の場合は歯周病になる可能性があるので、正しいブラッシングが必要です。

 

 

妊活中は、お口の中を綺麗に整えておくべきタイミングです。

赤ちゃんのむし歯ゼロを目指すためにもご自身はもちろん、パートナーも一緒に口腔環境を見直してみてはいかがでしょうか。

いちば歯科医院では歯・お口の健康を保ち、安心して妊娠・出産を迎えられるように全力でサポートいたします。

不安なことやお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。

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